【徹底解説】ダイカストとは?特徴・工程・メリットから納期までを網羅量産化の鍵!ダイカストの基礎知識と他の鋳造法との使い分けのポイント設計担当者が知っておくべき「ダイカスト」の全容:メリット・デメリットと製造期間
◆はじめに
前回の「砂型鋳物」に続き、今回は大規模な量産現場で欠かせない主要な鋳造技術、「ダイカスト(ダイキャスト)」について解説します。
自動車部品や家電製品など、私たちの身近にあるアルミニウムや亜鉛製品の多くはこの「ダイカスト」で作られています。他の製法と何が違うのか、その特徴を深掘りしていきましょう。
◆ダイカストの特徴
ダイカストとは、精密な形状を彫り込んだ「金型」に、溶けた金属を「高速・高圧」で注入して冷却固化させる鋳造法です。
「砂型」が砂を固めて作る使い捨ての型であるのに対し、ダイカストは耐久性の高い金型を繰り返し使用します。身近な例で例えると、砂型が「砂場の型抜き」だとすれば、ダイカストは「ワッフルの焼き型」のようなイメージです。非常に高い寸法精度と、美しい表面仕上げを短時間で実現できるのが最大の特徴です。
◆ダイカストの製造工程
ダイカストは自動化された専用の「ダイカストマシン」で行われます。
①金型締(型締め)
可動型の金型を固定型に強く押し付け、密閉します。
②射出(注入)
溶融した金属(アルミ、亜鉛、マグネシウム等)を、ピストンで金型内部へ高速・高圧で流し込みます。
③冷却・凝固
金型内で金属が冷えて固まるのを数秒〜数十秒待ちます。
④型開き・取り出し
金型を開き、押し出しピンを使って製品を取り出します。
⑤仕上げ
製品に付いた不要な部分(湯道やバリ)を取り除きます。
◆ダイカストのメリット・デメリット
圧倒的な生産力を誇るダイカストですが、採用にあたっては注意点もあります。
【メリット】
①圧倒的な生産スピード
一度金型を作れば、短時間で大量の部品を製造できます。
②優れた寸法精度と鋳肌
金型を使用するため寸法が安定し、表面が非常に滑らかです。そのまま最終製品として使えることも多く、後加工を最小限に抑えられます。
③薄肉化が可能
高圧で押し込むため、砂型などでは難しい薄肉の複雑形状も成形可能です。
【デメリット】
①初期費用(金型代)が高額
高圧に耐える精密な金型が必要なため、数百万円単位の初期投資が必要になります。数千〜数万個単位の量産でないと、1個あたりのコストが割高になります。
②内部欠陥(巣)が発生しやすい
高速で流し込む際に空気を巻き込みやすく、内部に小さな空洞(巣)ができやすい性質があります。
③材質に制限がある
主に融点の低いアルミ、亜鉛、マグネシウムに限られます。ステンレスや鉄などは金型を傷めてしまうため、ダイカストには不向きです。
◆納品までの期間(リードタイム)
ダイカストは、生産が始まってしまえば非常にスピーディーですが、「事前の準備期間」が長くかかります。
①金型製作期間:3ヶ月〜半年程度
金型の設計から精密な加工、調整(トライ)まで、非常に高度な工程を要します。
②量産開始後の納期:数週間〜
一度稼働すれば、1分間に数個といったペースで次々と製品が出来上がります。
◆おわりに
ダイカストは、「アルミ合金などで、数千個以上の大量生産が必要な精密部品」に最も適した製法です。
しかし、以下のようなケースでは、他の製法を検討する必要があります。
「ステンレスや鉄系などの難削材で作りたい」
「数百〜数千個の中規模ロットなので、金型費用を抑えたい」
「ダイカストでは抜けない複雑な内部構造や、高い気密性が欲しい」
このような課題を解決するのが、妙中鉱業が得意とする「ロストワックス鋳造」です。
ロストワックスなら、ダイカストでは対応できないステンレス鋼などの多様な材質が可能であり、かつ砂型よりも遥かに高い精度と美しい鋳肌を実現できます。また、金型費用もダイカストに比べてリーズナブルなため、開発段階や中規模生産にも最適です。
「この製品、ダイカストで行くべきか、ロストワックスで行くべきか?」 迷われた際は、ぜひ一度妙中鉱業へご相談ください。最適な製法をご提案いたします。


